UngearsとズーミングUI

 GGJの他の会場で、なんか面白そうなもん作ってねーかなと思って探していたら見つけた。

 Ungearsは歯車をモチーフにしたゲームである。

 プレイヤーが歯車を回転させると、それに伴って、他の歯車も比例して回転する。アンギアーというアクションを使うと、歯車を落下させることができる。これによって、歯車を目的の場所にはめ込んでいくことが、このゲームのクリア条件だ。

 アンギアーする前は、画面の上半分は見えなくなっている。したがって、歯車の落下地点を予測するには、その回転速度から推測するしかない。推測がぴたりとハマったときの快感が、このゲームの醍醐味である。

 全編を通して、フラクタルをモチーフにしたデザインが徹底されているのも、このゲームの特徴だ。一つステージをクリアするごとに、画面は一つの歯車の中に吸い込まれ、そこがまた新たなステージとなる。

 このUIを見ていると、僕はズーミングUIを思い出す。ZUIを意識して作られた実用的なソフトウェアは未だ少ないが、「ズーム」というアニメーションがもたらす快感、無限に奥へと進んでいくことによる全能感といったものは、たしかに存在するように思われる。ステージをクリアした時の達成感が、このアニメーションで一気に満たされる。

 このゲームでは、アンギアーする際に、カメラが一歩引いて全体を映すようになるのも興味深い。アンギアーは落下のシミュレーションをするためのアクションで、プレイヤーはそこで始めて高次の視点を意識できる。アクションの意味と、アニメーションとの一体感が、操作の感能性に大きく貢献している。